何をするべきかじゃなくて何がしたいかを答えろと言われたらたぶん言葉に詰まる

雑談の中で「休みの日は何をしていますか」という話になった。

答えられない。趣味と呼べるものがないことに気付く。「休みの日」は音楽に充てることが多いが、これは趣味とはいえないだろう。

 

帰り道、スマホで趣味一覧が掲載されているサイトを開き、目に留まるものをチェックする。

旅行は好きだ。けれど、頻繁には行かないし観光地に詳しいわけでもない。

本は月に2、3冊読む。映画も観ることはある。どちらも好きなことだ。けれど、鑑賞能力は低いと思う。詳しくもないし情報は自分から取りに行かない。人におまえのブクログやFilmarksを見せておくれと言われても、見せたくない。

お酒は好きだが、うまい酒はうまいということしか言えない。食も同様。

料理、することにはするが趣味かと聞かれるとそうではない。

散歩、これはアリかもしれないが、これも、趣味かと聞かれると違うだろう。

ランニング、するが、趣味なのだろうか。日課なのではないか。

 

「好きだけど、でも…」ばかりだ。

そして思う、趣味のハードルのなんと高いことか。

常に、ニワカという三文字が、頭の片隅にちらつく。

好きならいいじゃないかと思う一方、自意識が高く、プライドも高いので、マウントをとられるのが嫌なのか、自信を持って「趣味です!」と言えないのだ。

上に挙げたものをもう少し詰めていけばいい説もあるが、それはそれだ。

 

これはちょっと、心が痩せ細る一方な気がする。

知識マウントがとられにくそうなガーデニングとか刺繍とかでもやってみようかな。

 

こんのくんとそんな会話をして、終バスギリギリだわ、と言って乗り換え駅で降りていったこんのくんから数分後にLINEが来る。

 

「まさか趣味のランニングがここで役に立つとは」

 

 

バス停まで走って間に合ったらしい。

 

 

大人になるにつれての自意識の肥大化のせいか、SNS等の普及に伴って"マニア"の人が発する情報に触れる機会が増えたからなのか、はたまた、もともとしょうもない人間だからなのか。いや全部が絡み合ってこうなっているのかもしれない。わからないけれど、来年は趣味を持つことを目標にしようと思った。来年て。